証券アナリストの難易度は?合格率・勉強時間・他資格との比較で徹底解説
こんな疑問を解決
- 証券アナリストの難易度はどれくらい?
- 1次試験・2次試験の合格率は?
- 合格するまでに必要な勉強時間は?
- 簿記やFPなど、他の資格と比べて難しい?
- 金融未経験や数学が苦手でも合格できる?
証券アナリストは、金融・投資に関する幅広い専門知識が問われる資格試験です。
1次試験の合格率は45~50%程度、2次試験も40~50%程度と、数字だけを見るとそれほど難しい資格には思えないかもしれません。
しかし、証券アナリスト試験は、合格率だけで難易度を判断できない資格です。
私は三井住友銀行で外国為替ディーラーとして勤務していた際に証券アナリスト試験に合格し、現在は日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)として、金融・投資に関する教育事業を行っています。
この記事では、証券アナリストの難易度について、①合格率、②受験者の属性、③勉強時間という3つの視点から分析します。
他の資格との比較や、金融未経験者・数学が苦手な方でも合格できるのかについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
証券アナリストの難易度は?結論は「やや難関」レベル
結論からいうと、証券アナリストの難易度は「やや難関」レベルと考えられます。
公認会計士や税理士などの超難関資格と比べれば、必要な勉強時間は少ないものの、決して簡単な資格ではありません。
証券アナリスト試験の難易度を判断するうえでは、次の3つの視点が重要です。
| 判断基準 | 内 容 |
| ① 合格率 | 受験者のうち、どれくらいの割合が合格しているか |
| ② 受験者の属性 | どのような知識・経験を持つ人が受験しているか |
| ③ 勉強時間 | 合格までにどれくらいの学習時間が必要か |
特に注意したいのは、合格率の高さだけを見て、試験が簡単だと判断しないことです。
証券アナリストは金融機関で働く方も多く取得しており、金融・投資に関する基礎知識を持つ受験者が一定数いると考えられます。
また、1次試験と2次試験を合わせて500~600時間程度の勉強が必要になることも、難易度が高い理由の一つです。
証券アナリストの難易度については、以下の動画でも詳しく解説しています。
① 証券アナリスト試験の合格率から難易度を分析
まずは、証券アナリスト試験の合格率を確認しましょう。
証券アナリスト試験は、1次試験と2次試験の2段階で構成されています。
| 試験区分 | 試験形式 | 特 徴 |
| 第1次試験 | 選択肢形式 | 3科目・科目合格制 |
| 第2次試験 | 記述式 | 総合問題・一括で実施 |
1次試験の合格率は45~50%程度
証券アナリスト1次試験の合格率は、おおむね45~50%程度で推移しています。
近年の受験者数・合格者数は次のとおりです。
| 年 | 試 験 | 受験者総数 | 合格者総数 | 合格者の比率 |
| 2024年 | 春 | 6,567名 | 3,053名 | 46.5% |
| 2024年 | 秋 | 4,897名 | 2,444名 | 49.9% |
| 2025年 | 春 | 6,581名 | 3,183名 | 48.4% |
| 2025年 | 秋 | 4,725名 | 2,492名 | 52.7% |
| 2026年 | 春 | 6,622名 | 2,955名 | 44.6% |
出典:日本証券アナリスト協会
※受験者総数・合格者総数は、3科目の受験者数・合格者数を単純合計したものです。全科目を一度に受験した人の合格率ではありません。
2026年春試験の合格者の比率は44.6%であり、科目ごとの受験者数を合算した数字では、2人に1人前後が合格する水準となっています。
ただし、試験回や科目によって合格率には違いがあります。
2次試験の合格率は40~50%程度
続いて、証券アナリスト2次試験の合格率を確認しましょう。
| 年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2022年 | 3,405名 | 1,865名 | 54.8% |
| 2023年 | 2,548名 | 1,189名 | 46.7% |
| 2024年 | 2,556名 | 1,139名 | 44.6% |
| 2025年 | 2,522名 | 1,121名 | 44.4% |
| 2026年 | 2,317名 | 973名 | 42.0% |
出典:日本証券アナリスト協会
2次試験の合格率は、近年低下傾向にあります。
2022年には54.8%でしたが、2026年には42.0%まで低下しました。
また、2次試験は記述式であり、1次試験で学習した知識を応用して解答する力が求められます。
そのため、2次試験は1次試験以上に、各分野の内容を深く理解することが重要です。
他の資格と合格率を比較すると?
証券アナリストの合格率を、他の代表的な資格と比較してみましょう。
| 資格 | 合格率の目安 |
| 司法予備試験 | 約4% |
| 公認会計士 | 約7~8% |
| 税理士 | 約10~20%(科目別) |
| 社会保険労務士 | 約5~7% |
| 中小企業診断士 | 1次:約20~30% |
| 日商簿記1級 | 約10~20% |
| 日商簿記2級 | 約20~35% |
| 日商簿記3級 | 約35~45% |
| FP1級 | 学科:約15~20% |
| FP2級 | 約20~50% |
| FP3級 | 約50~70% |
| 証券アナリスト | 1次:約45~50%/2次:約40~50% |
※ 各資格の合格率は、試験回・実施団体・受験方式などによって異なります。比較のための概算値です。
この表を見ると、証券アナリストの合格率は、公認会計士や税理士、中小企業診断士などと比べて高いことが分かります。
しかし、合格率が高いからといって、必ずしも簡単な資格というわけではありません。
その理由を理解するためには、受験者の属性を確認する必要があります。
② 証券アナリスト受験者の属性から難易度を分析

証券アナリスト試験の特徴として、銀行や証券会社、資産運用会社など、金融業界で働く方が多いことが挙げられます。
証券アナリスト資格保有者の約7割が金融関連業種
日本証券アナリスト協会が公表しているデータによると、2026年3月末時点のCMA資格保有者は29,620名です。
主な所属先の内訳は次のとおりです。
| 所属先 | 割 合 |
| 証券会社 | 20% |
| 投資運用 | 19% |
| 銀行 | 13% |
| 信託銀行 | 6% |
| その他金融 | 6% |
| 生命保険 | 6% |
| 損害保険 | 1% |
| 事業会社 | 6% |
| 調査研究所 | 3% |
| その他 | 20% |
出典:日本証券アナリスト協会(2026年3月末時点)
このように、証券アナリスト資格保有者の約7割が金融関連業種に所属しています。
※上記は資格保有者の所属内訳であり、試験受験者の業種別割合を直接示したものではありません。
金融機関で働く人が多く取得している
実際に、2026年の証券アナリスト2次試験における合格者数上位10社を見てみましょう。
| 順 位 | 会社名 | 合格者数 |
| 1位 | 野村證券 | 36名 |
| 2位 | 三菱UFJ信託銀行 | 33名 |
| 3位 | 日本生命保険 | 29名 |
| 4位 | 大和証券 | 28名 |
| 5位 | みずほ銀行 | 27名 |
| 6位 | 三井住友銀行 | 25名 |
| 7位 | SMBC日興証券 | 24名 |
| 7位 | 第一生命保険 | 24名 |
| 9位 | 三菱UFJ銀行 | 23名 |
| 9位 | 三井住友信託銀行 | 23名 |
出典:日本証券アナリスト協会(2026年2次試験)
上位10社は、すべて銀行・証券会社・保険会社などの金融機関です。
こうした金融機関では、業務を通じて株式、債券、金融市場、財務分析などの知識を身につける機会があります。
もちろん、金融機関に勤務しているからといって、必ずしも証券アナリスト試験の知識を十分に持っているわけではありません。
しかし、金融・投資に関する実務経験や基礎知識を持つ受験者も多いと考えられます。
つまり、金融・投資に関する知識を持つ人も多く受験する中で、合格率が40~50%程度の試験であることを考慮する必要があります。
単純に合格率だけを比較して、証券アナリスト試験の難易度が低いと判断することはできません。
③ 証券アナリストの勉強時間から難易度を分析
最後に、合格までに必要な勉強時間から難易度を分析します。
合格までに必要な勉強時間は500~600時間
証券アナリスト試験の勉強時間は、次の程度が目安となります。
| 試験区分 | 勉強時間の目安 | 勉強期間の目安 |
| 第1次試験 | 約200~300時間 | 約3~5カ月 |
| 第2次試験 | 約300時間 | 約5カ月 |
| 合計 | 約500~600時間 | 約8~10カ月 |
※ 勉強期間は、平日1日1時間、休日1日5時間、週15時間程度を想定した目安です。
1次試験と2次試験を合わせると、500~600時間程度の勉強が必要になると考えられます。
ただし、これは一般的な目安であり、金融・経済の知識や実務経験によって必要な勉強時間は異なります。
例えば、銀行や証券会社などで勤務している方は、業務で身につけた知識を活用できる場合があります。
一方、金融・投資について初めて学ぶ方は、専門用語や計算方法の理解に時間がかかることもあるでしょう。
他の資格と勉強時間を比較すると?
証券アナリストの勉強時間を、他の代表的な資格と比較してみましょう。
| 難易度 | 代表的な資格 | 勉強時間の目安 |
| 超難関 | 司法試験、公認会計士、税理士 | 3,000~5,000時間以上 |
| 難 関 | 中小企業診断士、社労士、簿記1級 | 800~1,000時間前後 |
| やや難関 | 証券アナリスト、FP1級 | 500~600時間前後 |
| 標 準 | 簿記2級、FP2級 | 150~300時間 |
| 入 門 | 簿記3級、FP3級 | 50~150時間 |
※ 勉強時間や難易度の分類は一般的な目安であり、公式なランキングではありません。
このように、証券アナリストは簿記2級やFP2級よりも多くの勉強時間が必要になる一方、公認会計士や税理士などの超難関資格と比べると、必要な勉強時間は少ない傾向があります。
勉強時間という観点では、証券アナリストは「やや難関」レベルの資格といえるでしょう。
なお、すずたく大学では、証券アナリスト試験の対策に役立つ無料の動画講義とPDF教材を公開しています。
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証券アナリスト試験が難しい理由は学習範囲の広さ

証券アナリスト試験が難しい理由の一つが、学習範囲の広さです。
1次試験では、次の3科目から出題されます。
| 科 目 | 主な学習内容 |
| 科目Ⅰ:証券分析とポートフォリオ・マネジメント | 株式分析、債券分析、デリバティブ分析、ポートフォリオ理論など |
| 科目Ⅱ:財務分析・コーポレート・ファイナンス | 財務諸表分析、会計、企業価値評価など |
| 科目Ⅲ:市場と経済の分析・数量分析と確率・統計・職業倫理 | ミクロ経済、マクロ経済、金融経済、統計学、職業倫理など |
証券アナリスト試験では、株式や債券の分析だけでなく、会計、経済学、統計学、職業倫理など、金融・投資に関する幅広い知識が問われます。
そのため、一つの分野だけに詳しくても、試験全体で十分な得点を取れるとは限りません。
一つひとつの内容が極端に難しいというよりも、幅広い分野を一定のレベルまで理解しなければならないことが、証券アナリスト試験の難しさといえるでしょう。
証券アナリストの資格概要や試験制度、取得するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 関連記事:証券アナリストとは?難易度・合格率・勉強時間・取得メリットを徹底解説
金融未経験・数学が苦手でも証券アナリストに合格できる?
証券アナリスト試験は金融機関で働く方が多く取得する資格ですが、金融未経験者でも合格を目指すことは可能です。
ただし、金融・投資の基礎知識がない場合には、専門用語や計算方法を理解するための学習時間が必要になります。
また、証券アナリスト試験では、次のような数学的な知識を使う分野も出題されます。
対象となる数学的な知識
- 確率・統計
- 指数・対数
- 微分
- 現在価値・割引計算
- 回帰分析
数学が苦手な方にとっては、これらの分野が難しく感じられるかもしれません。
しかし、高度な数学力がなければ合格できない試験ではありません。
まずは基本的な公式の意味や計算方法を理解し、過去問を繰り返し解くことが重要です。
金融未経験の方や数学が苦手な方は、基礎的な内容から段階的に学習を進めましょう。
証券アナリスト1次試験に3カ月で合格するための具体的な勉強法や学習スケジュールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 関連記事:証券アナリスト1次試験に3カ月で合格する勉強法・学習スケジュール
まとめ:証券アナリストは「やや難関」だが働きながらでも合格を目指せる
今回は、証券アナリストの難易度について、合格率・受験者の属性・勉強時間という3つの視点から分析しました。
重要なポイントを整理すると、次のとおりです。
合格を目指すための重要ポイント
- 難易度:他資格との比較では「やや難関」レベル
- 合格率:1次試験は約45~50%、2次試験は約40~50%
- 受験者の属性:金融関連業種の資格保有者が多く、金融知識を持つ受験者も多いと考えられる
- 勉強時間:1次・2次試験を合わせて約500~600時間
- 試験範囲:金融・会計・経済・統計など幅広い
- 金融未経験者や数学が苦手な方でも、基礎から学習することで合格を目指せる
証券アナリストは決して簡単な資格ではありません。
しかし、効率的な勉強法を実践し、計画的に学習を進めれば、働きながらでも十分に合格を目指せます。
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