銀行員が取るべき資格9選!必須資格から昇進・転職に役立つ資格まで元銀行員が解説
こんな疑問を解決
- 銀行員が取得するべき資格は?
- 新人銀行員におすすめの資格は?
- 昇進や転職に役立つ資格はどれ?
- 資格ごとの難易度や勉強時間は?
- 法人営業・個人営業・市場部門など、担当業務別におすすめの資格は?
銀行員として働くうえでは、業務上必要な資格から、専門性を高めてキャリアアップにつなげる資格まで、さまざまな資格があります。
しかし、銀行員だからといって、全員が同じ資格を取得すればよいわけではありません。
私は新卒で三井住友銀行に入行し、最初の1年間は支店で窓口業務や個人営業、法人融資などを経験しました。その後は東京本店と香港支店で、外国為替ディーラーとして勤務していました。
銀行員時代には、業務上必要な資格から、専門性を高めるための資格まで、さまざまな勉強をしてきました。
この記事では、こうした経験を踏まえて、銀行員が取得するべき代表的な9つの資格を、目的・難易度・勉強時間とともに解説します。
これから銀行員を目指す方や、昇進・転職に向けて資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
銀行員が取るべき資格は?目的別に4つに分類
銀行員が取得する資格は、目的に応じて大きく4つに分類できます。
| 分 類 | 主な資格 |
| ① 業務上必要になる資格 | 証券外務員 |
| ② 基礎知識を身につける資格 | 簿記3級、FP3級、銀行業務検定 |
| ③ 担当業務に応じて役立つ資格 | TOEIC、宅建 |
| ④ 専門性を高め、キャリアアップにつながる資格 | FP1級、中小企業診断士、証券アナリスト |
例えば、個人向けの資産運用業務を担当する銀行員と、法人融資を担当する銀行員では、必要とされる専門知識が異なります。
また、海外勤務や市場部門への異動を目指す場合には、それぞれの業務に適した資格を取得することが重要です。
資格は数を増やすことよりも、自分の担当業務や将来のキャリアに合ったものを選ぶことが大切です。
銀行員におすすめの資格については、以下の動画でも詳しく解説しています。
銀行員が業務上必要になる資格
まずは、銀行員が業務を行ううえで必要になる資格を紹介します。
証券外務員(一種・二種)
証券外務員は、株式・債券・投資信託などの金融商品の販売や勧誘を行う際に必要となる資格です。
証券外務員には一種と二種があり、取り扱える金融商品の範囲が異なります。
証券外務員一種・二種の違い
- 二種外務員: 主に現物株式や投資信託などを取り扱う
- 一種外務員: 二種の対象商品に加え、信用取引やデリバティブ取引なども取り扱う
試験に合格するだけでなく、実際に外務員として業務を行うためには、外務員登録などの手続きも必要です。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
| 勉強時間 | 50~100時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 金融商品の販売・勧誘担当 |
証券外務員は、難易度が比較的低い一方、金融商品の販売や勧誘を担当する銀行員にとって重要な資格です。
キャリアアップのために取得するというよりも、担当業務を行うために必要になる資格という位置づけです。
銀行員としての基礎知識を身につける資格

続いて、銀行員として働くうえで基礎となる知識を身につけられる資格を紹介します。
特に、新人銀行員や若手銀行員におすすめの資格です。
簿記3級
簿記3級は、企業の取引を記録する仕組みや、会計の基礎知識を学ぶ資格です。
貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)がどのように作られるのか、基本的な仕組みを理解できます。
銀行員の中でも、特に法人営業や融資業務を担当する方におすすめです。
銀行が企業に融資する際には、その企業の財務状況を理解することが重要になります。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
| 勉強時間 | 50~100時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 法人営業・融資担当 |
簿記3級だけで企業の財務分析ができるようになるわけではありませんが、その土台となる会計知識を身につけられます。
法人営業や融資業務に携わる方は、まず簿記3級を取得し、必要に応じて簿記2級を目指すのがおすすめです。
FP3級(ファイナンシャル・プランニング技能士)
FP3級は、資産運用・保険・税金・年金・不動産・相続など、幅広い金融知識を学ぶ国家資格です。
簿記が企業の会計を中心に学ぶ資格であるのに対して、FPは個人のお金に関する知識を幅広く学ぶ資格といえます。
そのため、特に個人営業や資産運用を担当する銀行員におすすめです。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
| 勉強時間 | 30~100時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 個人営業・資産運用担当 |
例えば、お客様から資産形成や保険、相続について相談された際に、FPの知識が役立ちます。
銀行員として幅広い金融知識を身につけたい方には、おすすめの資格です。
さらに専門性を高めたい場合には、FP2級、FP1級へとステップアップすることもできます。
銀行業務検定
銀行業務検定は、銀行実務に関する知識を体系的に学ぶための検定です。
主な試験分野には、次のようなものがあります。
銀行業務検定の試験分野
- 法務
- 財務
- 税務
- 融資
- 外国為替
科目ごとに3級・2級などの試験があり、自分の担当業務に応じて選択できます。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★☆☆☆(3級) |
| 勉強時間 | 30~100時間(3級) |
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
| おすすめの銀行員 | 若手銀行員・銀行実務全般 |
※ 難易度や勉強時間は科目・級によって異なります。
例えば、法人融資を担当する銀行員であれば、財務や融資に関する科目を学ぶことで、実務に必要な知識を身につけられます。
銀行業務検定は、特に若手銀行員が実務知識を体系的に学ぶうえでおすすめの検定です。
担当業務に応じて役立つ資格

銀行員としての基礎知識を身につけた後は、自分の担当業務や将来のキャリアに応じて資格を選ぶことが重要です。
ここでは、海外勤務や不動産関連業務などで役立つ資格を紹介します。
TOEIC(800点以上)
TOEICは、英語によるコミュニケーション能力を測定するテストです。
銀行員の中でも、特に海外勤務や国際業務を目指す方におすすめです。
また、外資系金融機関への転職を考えている方にとっても、英語力をアピールする材料になります。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★★☆☆(800点以上) |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 海外勤務・国際業務希望者 |
※ 難易度は現在の英語力や目標スコアによって大きく異なります。
TOEICは合格・不合格ではなく、スコアによって英語力を評価します。
一般的なスコアの目安は次のとおりです。
| TOEICスコア | 一般的な位置づけ |
| 600点以上 | 基礎的な英語力をアピールする目安 |
| 730点以上 | ビジネス英語力をアピールする目安 |
| 800点以上 | 高い英語力をアピールできる水準 |
| 900点以上 | 非常に高い英語力を示す水準 |
※ 上記は一般的な目安であり、銀行ごとの人事評価や海外勤務の基準を示すものではありません。
海外勤務や国際業務を目指す銀行員は、まずTOEIC800点以上を一つの目標にするとよいでしょう。
宅建(宅地建物取引士)
宅建は、不動産取引に関する法律や税金、土地・建物などの専門知識を学ぶ国家資格です。
銀行員の中でも、特に不動産関連業務や融資業務を担当する方におすすめです。
例えば、銀行が不動産を担保に融資を行う際には、不動産に関する法律や権利関係の知識が役立ちます。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 勉強時間 | 300~400時間 |
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
| おすすめの銀行員 | 不動産関連・融資担当 |
宅建は、簿記3級やFP3級などと比べると難易度が高く、取得までに一定の勉強時間が必要です。
ただし、銀行員全員が取得する必要がある資格ではありません。
不動産関連業務や融資業務に携わる方、将来的に不動産分野で専門性を高めたい方におすすめです。
専門性を高め、キャリアアップにつながる資格

最後に、専門性を高め、昇進や転職などのキャリアアップにつなげたい銀行員におすすめの資格を紹介します。
いずれも取得難易度は高めですが、専門知識を体系的に身につけられる資格です。
FP1級(ファイナンシャル・プランニング技能士)
FP1級は、資産運用・税金・相続・事業承継など、金融・資産管理に関する高度な専門知識を学ぶ国家資格です。
特に、富裕層向けの資産運用相談や、相続・事業承継などを担当する銀行員におすすめです。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★★★☆ |
| 勉強時間 | 400~600時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 富裕層営業・資産運用担当 |
富裕層のお客様から相談を受ける際には、資産運用だけでなく、税金・相続・不動産などの幅広い知識が必要になることがあります。
FP1級では、こうした知識を体系的に学ぶことができます。
なお、FP1級には受検資格がありますので、事前に確認しておきましょう。
個人向け金融サービスの専門性を高め、キャリアアップを目指す銀行員におすすめの資格です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、企業経営に関する幅広い専門知識を学ぶ国家資格です。
主な学習内容は、経営戦略・財務・会計・マーケティング・組織運営などです。
銀行員の中でも、特に法人営業や融資、企業の経営支援などを担当する方におすすめです。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★★★★ |
| 勉強時間 | 800~1,200時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 法人営業・融資・経営支援担当 |
銀行員が企業と取引する際には、単に融資を行うだけでなく、その企業の経営状況や課題を理解することも重要です。
中小企業診断士の学習を通じて、企業経営に関する知識を体系的に身につけることができます。
取得までには相応の努力が必要ですが、法人営業や企業経営支援の分野で専門性を高めたい銀行員には、魅力的な資格です。
証券アナリスト(CMA)
証券アナリストは、株式・債券・デリバティブ・財務分析・経済など、金融・投資に関する専門知識を体系的に学ぶ資格です。
銀行員の中でも、特に市場部門・運用部門・調査部門などで働いている方や、将来的にこうした分野を目指す方におすすめです。
| 項 目 | 内 容 |
| 難易度 | ★★★★☆ |
| 勉強時間 | 500~600時間 |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
| おすすめの銀行員 | 市場・運用・金融専門職 |
※ 勉強時間は1次試験と2次試験を合わせた目安です。
証券アナリストの難易度については、合格率・勉強時間・受験者の属性などから、以下の記事で詳しく分析しています。
→ 関連記事:証券アナリストの難易度は高い?合格率・勉強時間から徹底解説
証券アナリストの学習では、株式や債券の価値をどのように評価するのか、金利や経済環境が金融市場にどのような影響を与えるのか、といった内容を理論的に学ぶことができます。
私自身も、三井住友銀行に在籍していた際に証券アナリスト試験に合格しました。
外国為替ディーラーとして働くうえでは、金利や経済、金融市場に関する知識が重要であり、証券アナリストの学習内容と関連する部分も多くありました。
なお、試験に合格しただけでCMAの称号を使用できるわけではなく、所定の実務経験や協会への入会などの要件があります。
また、資格を取得すれば必ず昇進や転職につながるわけではありません。
しかし、金融・投資に関する専門知識を体系的に身につけ、その知識を客観的に示せるという点で、非常に価値のある資格だと考えています。
金融・投資分野で専門性を高めたい銀行員には、特におすすめしたい資格です。
証券アナリストの資格概要や試験制度、取得するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 関連記事:証券アナリストとは?難易度・合格率・勉強時間・取得メリットを徹底解説
銀行員が取るべき資格9選|難易度・おすすめ業務一覧

ここまで紹介した9つの資格を一覧表にまとめました。
| 資 格 | 難易度 | おすすめの業務・キャリア |
| 証券外務員 | ★☆☆☆☆ | 金融商品の販売・勧誘 |
| 簿記3級 | ★☆☆☆☆ | 法人営業・融資 |
| FP3級 | ★☆☆☆☆ | 個人営業・資産運用 |
| 銀行業務検定(3級) | ★★☆☆☆ | 銀行実務全般 |
| TOEIC(800点以上) | ★★★☆☆ | 海外勤務・国際業務 |
| 宅建 | ★★★☆☆ | 不動産関連・融資 |
| FP1級 | ★★★★☆ | 富裕層営業・資産運用 |
| 中小企業診断士 | ★★★★★ | 法人営業・経営支援 |
| 証券アナリスト | ★★★★☆ | 市場・運用・金融専門職 |
※ 難易度は一般的な勉強時間や試験内容などを踏まえた目安であり、公式なランキングではありません。
銀行員におすすめの資格は、担当業務や目指すキャリアによって異なります。
例えば、法人営業や融資業務を担当する方であれば、簿記3級で会計の基礎を学び、その後、中小企業診断士などで専門性を高める方法があります。
一方、個人営業や資産運用を担当する方であれば、FP3級からFP2級、FP1級へとステップアップするのもよいでしょう。
また、海外勤務を目指す方はTOEIC、市場部門や運用部門を目指す方は証券アナリストなど、自分のキャリアに合わせて資格を選ぶことが重要です。
まとめ:銀行員は担当業務と将来のキャリアに合わせて資格を選ぼう
今回は、銀行員が取得するべき代表的な9つの資格を紹介しました。
銀行員にとって、資格の取得は専門知識を身につけ、仕事の幅を広げるための有効な手段です。
ただし、資格をたくさん取得すること自体が目的になってはいけません。
まずは現在の担当業務に必要な資格や基礎知識を身につけ、その後、自分が目指すキャリアに応じて専門性を高めていくことが重要です。
特に、金融・投資分野で専門性を高めたい銀行員には、証券アナリスト資格の取得をおすすめします。
証券アナリスト1次試験に3カ月で合格するための具体的な勉強法や学習スケジュールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 関連記事:証券アナリスト1次試験に3カ月で合格する勉強法・学習スケジュール
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